【動画あり】電気自動車 雪国検証!テスラ『モデル3』で雪道立ち往生38時間実験

【検証動画】【テスラモデル3】電気自動車3台で雪道立ち往生検証

2022年1月27日〜29日、山形市蔵王温泉にある蔵王アストリアホテル駐車場で延べ38時間かけて検証しました。蔵王スキー場のゲレンデと直結しており、標高は940m程。検証中の平均気温はマイナス5℃、天候は曇り時々雪。1月中旬から下旬にかけて大雪が降っていたこともあり、検証場所周辺には大量の雪が積もっていました。

車両設定

①快適号/モデル3ロングレンジ、79.5kWh、2021年式、赤/エアコン20℃、風量自動設定、内気循環、シートヒーター無し②少し快適号/モデル3パフォーマンス、75kWh、2019年式、青/エアコン18℃、風量自動設定、内気循環、シートヒーター無し③我慢号/モデル3ロングレンジ、75kWh、2019年式、白/エアコン16℃、風量自動設定、シートヒーター全席MAX、電気毛布使用

服装

上半身はヒートテック+セーター+ダウンジャケット。下半身はヒートテック+ワークマンで買った暖かいパンツを履いて検証に臨みました。足元は普通の靴下に簡易的な防水ブーツ。立ち往生を想定した完璧な装備ではなく、真冬の一般的な服装を意識しました。

電池残量80%→10%まで20℃の快適設定でも33時間

20℃設定は33時間、18℃設定が51時間、16℃設定でシートヒーターと電気毛布を使った場合は40時間となりました。

【動画あり】電気自動車 雪国検証!テスラ『モデル3』で雪道立ち往生38時間実験

予想していた以上に消費電力が少なかったため、途中で時間切れとなり点線部分は予測値となります。

とは言え、都合よくたくさんバッテリーが残った状態で立往生に遭遇するとは限りません。仮にバッテリー残量が40%の状態で立往生に遭遇しても、20℃設定は14時間、18℃設定は22時間、16℃設定でシートヒーターと電気毛布を使っても20時間程度は十分持ちこたえる事が分かりました。

どのくらい快適なのか?

1月27日21時30分に検証開始。筆者は我慢号に乗って一夜を過ごしますが、YouTube動画撮影のためすべての車両を行き来しました。

エアコン20度設定の快適号はアウターを着込んだ状態だと十分に暖かい温度。ヒートポンプを起点としたエアコンの音が少しうるさいですが、電費向上に一役買っているのなら我慢できます。

エアコン18℃設定の少し快適号はPTCヒーターのみで暖かい風を作るので作動音は快適号よりも静か。運転席助手席はアウターを着ていれば普通に過ごせる温度ですが、後席は送風口が限られておりガラス面積も大きいため少し寒いかも知れません。

エアコン16℃設定の我慢号ははっきり言って寒いです。自動設定にしている風量が大きくなり、風をどこに向けても顔や手には空気の流れを感じてしまいます。幸いにもシートヒーターや電気毛布が使えるため、かろうじで過ごせますし、車外のマイナス5℃に比べれば暖かい環境であるのは間違いありません。

用意した電気毛布は、USBタイプ(80cm×140cm)、シガーソケットタイプ(150cm×110cm)、コンセントタイプ(190×130cm)の3種類。いずれの電気毛布も布団と併用しなければさほどの暖かさを感じることはできないため注意が必要です。

ガソリン車を埋めてみた

エンジン車での雪中立ち往生時に要注意である一酸化炭素濃度を計測するため、ガソリン車のホイールハウス部分まで雪で埋めてみました。ダッシュボードに一酸化炭素濃度計測器を置き、外気導入でエアコンをつけていた場合、3分で322PPMまで到達。これは2時間滞在すると頭痛や吐き気を催すレベルです。ガソリン車と同様に電気自動車であるモデル3も雪に埋めて計測しましたが、排気ガスを出さないので一酸化炭素濃度は上がりませんでした。

電気自動車であってもガソリン車であっても、車両から出入りするための除雪は欠かせませんが、一酸化炭素中毒の心配なく長時間過ごせるのは大きなメリットであると言えます。

山形までのロングドライブの様子はトシさんのYouTubeチャンネルからどうぞ

(文/テスカス・撮影/石井光春)