新型コロナウイルス感染症診療にかかる東部医療センター長谷川千尋先生インタビュー

Q.コロナ診療に関わるスタッフの不安を軽減するために大事なことは何ですか。A.一番大事なことは、(スタッフの)話を聞いてあげること。コロナが始まって1年になるんですけど、最初の1週間というのが大事で、その時には暇を見つけては、その病棟にやることなくてもずっといましたね。そこ(病棟)にいて何かあったら答えてあげるだとか、感染対策がこれでいいんだよっていうのもずっと言い続けて納得してもらいました。(スタッフに)不安なこととかわからないことをノートに書いてもらったんですね、多分ノート1冊ぐらいになったと思います。それ(不安なことや疑問におもっていること)をICNが全部潰して、不満なこと不安なこと、全部説明しました。こういった不安には、市大の精神科の先生がおっしゃっていたんですけど、たくさん暴露することが大事で、1週間ぐらいするとみんな慣れちゃって、普通に楽しく仕事していました。新しくHCUを感染症の重症の病棟にしようとしたら全く同じことが起きて、最初は不安だらけだったんだけど、そこに(自分が)なるべくいるようにして、何が不安なのかどんなことで困ってるのかっていうのも全部その場で解決しながら、やっぱりノートにも書いてもらって、それを全部答えてあげるんですね。(仕事は)習慣ですから、慣れていって普通に仕事してくれるようになりますから、たくさん暴露して慣れること。不安なこと、不満があれば全部解決してあげるように、近くにいてあげることが大事だと思って仕事していました。

新型コロナウイルス感染症診療にかかる東部医療センター長谷川千尋先生インタビュー

Q.COVID-19を受け持っているのはどんな先生ですか。A.院内でのやり方は、令和2年2月当初は、自分を含めて2人医師体制でやっていて、次に2人ではしんどくなってきたときに、固定で1ヶ月半だとか1ヶ月くらいよその診療科の医師に来てもらって、そうするとだんだん慣れている医者が増えてくるんですね。その人たちを中心に回すようになったのが10月の終わりぐらいからかな。そうなったら、経験を積んだ医者が主治医になるようにして、それがまた中心となって、次の医者を育てるという風に、どんどんコロナが見られる医者が増えていって、そういうやり方がいいと思います。最初からバラバラの科に振り分けちゃうと、病院としての治療方針っていうのがうまく立たなくなったり、誰に相談していいかわからなくなるので、経験者をなるべく最初のうちに作っておいて、それで、広げていくやり方でうまくいきました。

Q.スタッフの日常生活の自粛はどこまで求めていますか、また実行はどこまでされているのでしょうか。A.スタッフが多いので、全員を信用するしかないですね。ただやはり医療者として、県を跨ぐような移動はしないだとか、人混みにあまり行かないようにしてもらうだとか、それから外食しないようにしてもらうとか、一般的なことを、医療従事者としてちゃんと守ってくださいねっていうアナウンスをしているぐらいです。確認まではしてない。できないです何百人も。

Q.東部医療センターにおけるECMOについてA.ECMOはあるんですけど、やってない。まだ経験している先生が少なくて。令和2年の3月にECMOが必要な方がいた時には、ECMOネットの先生に東京から来てもらって、当院で導入だけして、救急車に乗せて東京で運んでもらいました。そのECMOネットのトップの先生が来て、ここのNsやMEの動きをみていたらできない訳がないと言われたんですけど、なかなか麻酔科がうんと言わなくて。令和2年の12月とか患者が多かったころに本当にやらないといけないかなということがあったのですが、やらずに済みました。経験値上げるチャンスかなと思ってたんですけど。ECMOになりそうな人は名大か、陶生か、藤田に送ってます